新型コロナウィルス感染症の
後遺症とは
- 倦怠感
- 息切れ
- 咳
- 頭痛
- 脱毛
- 筋力低下
- 睡眠障害、抑うつ
- 思考力、集中力低下
- 味覚・嗅覚障害・耳鳴り
- 関節痛、筋痛
- 動悸
などが主症状であり20歳代以降の全世代で高頻度にみとめられ月単位で続くことが分かってきています。
長期間にわたり症状が遷延することでLong COVIDと言われます。
治療法は2022/2月時点では、確立はされておらず対症療法的に漢方での治療や味覚嗅覚障害に関しては耳鼻科での治療が手探りに行われている状況です。
後遺症発症のリスク
- 高齢
- 女性
- 肥満
- 喫煙
- コロナでの入院治療
- 急性期の症状の数が5つ以上
があげられるとの報告がありますが、現時点ではその機序については不明です。
当院での検査・治療について
上記のように症状としては、大まかに5つの領域にわかれると思われます。
だるくて元気がでない、
精神的にもダメージがある場合
明らかに抑うつなど精神的なものであれば心療内科への受診をおすすめいたします。
しかし、だるい・元気が出ないといった症状は内科的には貧血や甲状腺機能・肝機能異常などでも出てくる場合があります。
そのために当院では血液検査を行い一般的な精査を行います。
状況により心療内科へ受診をご相談いたしますが漢方薬を使用し、だるさなどの経過をみさせていただくことも可能です。
呼吸器にかかわる症状の場合
当院は呼吸器の診療に特化しておりますのでコロナ感染後の肺の状況をCT検査や呼吸機能検査で詳しく検査をすることが可能です。
コロナ感染後で肺炎が遷延している状況やコロナをきっかけに喘息症状が悪化している例もみかけます。
息切れや咳が続く場合是非ご相談ください。
耳鼻科にかかわる症状の場合
みなさまがご存じの通り味覚・嗅覚の障害が残る場合もあります。
これまでもウィルス感染後にのどの上の部分の粘膜がむくむことによって自律神経系に影響を及ぼし脳の機能に影響がでること(慢性上咽頭炎)が報告されていました。
しかし、コロナ出現以降かなり注目され、2022/2月現在耳鼻科では鼻うがいや上咽頭擦過療法(EAT療法)が多くの施設で行われています。
EAT療法とは塩化亜鉛溶液という薬液をつけた綿棒で上咽頭を擦過する方法です。
保険適応で対応が可能です。EAT療法は当院では施行できませんので初診から耳鼻科へのご相談をおすすめいたします。
神経にかかわる症状の場合
頭痛、筋力低下、脱力などの症状でお困りのかたも多いです。
脳のMRI検査を行っても所見がなく、上記の慢性上咽頭炎の結果としての神経症状ではないかとする考えもありますが結論は出ていません。当院としては漢方薬での治療を併用し、脳のCT、MRI検査を行い必要に応じ神経内科の専門医への紹介もさせていただきます。当院ではCT検査は可能です。
MRI検査に関しましては近隣の医療機関へ紹介させていただきます。
循環器(心臓)にかかわる症状の場合
動悸症状に関しましては当院で心電図検査、24時間心電図検査が可能です。
心臓のエコー検査に関しましては申し訳ございませんがエコーの設備を準備中ですので、心臓の詳しい検査が必要な場合は信頼できる循環器内科専門医をご紹介させていただきます。
漢方薬も積極的に取り入れ対応をさせていただきます
息苦しさが続くなどの症状にはしっかり検査もできますので是非ご相談ください。
正直に申しまして当院では自信をもって評価が行えるところとできないところが分かれる分野です。
耳鼻科や神経内科に相談をされたほうが早い場合もあると思っています。
しかしコロナ後遺症は症状が多岐にわたり漠然と不安を感じていらっしゃる患者様も多いのが現状です。
相談できる窓口が多いに越したことはなく当院も引き続き他院とも連携をしながら今後の研究のデータをもとにフォローをさせていただきます。
後遺症として残る前の予防は
もちろん大事です
Long COVIDを起こさないためにも最も大事なことは当たり前のことですがコロナにかからないことです。
そのためにもワクチン接種は有用と思われます。
一部の報告ではワクチン2回接種後にコロナにかかった場合、28日以上遷延する症状の発現が約半分におさえられたとするものがあります。これは事前にワクチンを接種することによって、もしコロナに感染したとしてもLong COVIDを予防できる可能性があることを示唆しています。新型コロナワクチン接種に関しましては国の推奨通り前向きに検討いただけますと幸いです。